音を選ぶのは、正解だ。 Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2
初めて,自分でバイトして稼いだお金で買ったものです.5月の頭に購入しました.ボーズのQuietConfort Earbudsか,ゼンハイザーのMOMENTUM(以下,MTW2)かで結構悩みまして,結局MTW2にしました.ここからは購入の経緯について書いていきますので,使い勝手とかどうなんじゃいって人は「一度聴いたら、もう戻れない」のところまでスクロールしてください.
憧れのイヤホン
昨年11月,iPhoneのスピーカーでは満足できなくなった僕は完全ワイヤレスのイヤホンを買う決断をしました.YouTubeでギズモードジャパンの動画を見まくり,悩みに悩んで黒豆ことGalaxy Buds Liveを購入.とてもよい買い物だったと思います.音もよく,つけ心地もよく,そして何よりリーズナブルです(僕はAmazonのブラックフライデーで15000円ほどで購入しました.今は型落ちなのでもっと安いかな?).黒豆のレビューも書こうと思っていますので気長にお待ちください.そうそう,話がずれてしまっていましたが,完全ワイヤレスを色々見ているときにかっこいい!欲しい!と思ったものがこのMTW2でした.当時はバイトもしていなかったですし,3万円台後半なんてお金は捻出できませんでしたが,春休みにバイトを始め憧れだったMTW2を買うことができたのでした.
BOSEか、SENNHEISERか。
ボーズといえばノイキャン.最高峰のノイズキャンセリングというものも体験してみたかったし,デザイン的にはボーズのほうが好みです.つけ心地もよさそうですし,あちらを買っても素晴らしい体験ができただろうと思います.7000円ぐらい安いですしね.学生にとって7000円というのはけっこう大金です.
しかし,僕は見た目よりも,つけ心地よりも,「音」を選びました.思い出してください,イヤホンとは音を聞くためのものです.だいいち,僕は電車通学ではありませんので,ノイズキャンセリングの恩恵を最大限に受けられるわけでもありませんし,それだったら,7000円多く払ってでも,音の良い方を買うのが一番だと思ったのです.大きな買い物ですからね.
一度聴いたら、もう戻れない
初めて聴いた感じは,微妙でした.特に感動もしなかったし,本当にこれが3万円代後半なのか? と思いました.しかし,エイジングが進むにつれて,深みのある,気持ちいい低音と伸びの良い高音が出るようになりました.特に低音です.僕はフューチャーベースをよく聴くのですが,これがもう最高です.女性ボーカルに調和する低音のキックが心地良いです.もちろん,ロックもいい音で聴けますよ.
このイヤホンのキャッチコピーに「一度聴いたら,もう戻れない」というのがありますが,確かに,こんな低音はそうそう聴けません.間違いなく,買ってよかったと思っています.
気に入ってるところ
1ヶ月ちょっと使って気に入ったところを挙げていきます.
・音がいい
いわずもがな.
・デザインがいい
ファブリック調のケース,流れるような美しいデザインの本体.「いいモノ」を使っている感じがして非常に気分が良いです.
・タッチセンサー
完全ワイヤレスイヤホンのタッチセンサーというものは大抵反応が良すぎたり全然反応しなかったり思うようにいかない,ということが多い印象ですが(黒豆のタッチセンサーは微妙でした),MTW2のタッチセンサーは丁度いい反応をしてくれてとても快適です.
・操作性
タッチセンサーとは違うものです.1,2,3タップと長押しがあり,左右それぞれに動作を割り当てられます.特にイヤホン単体で音量の上げ下げができるのがポイント高いです.
・バッテリーの持ちが良い
ケース込みで28時間のバッテリー性能らしいです.これが本当に長くて,使い方にもよりますが,3,4日に1回,長くて1週間に1回の充電で事足ります.
・ノイキャンの「質」
あくまで音楽を楽しむための最低限のノイキャンだそうなので,ノイキャンは弱めです.しかしイヤホン自体の遮音性が高いことと合わせれば申し分ない性能を発揮してくれます.カフェで勉強したときも音楽を流していれば周囲の音がほとんど聞こえませんでした.そしてなにより,このノイキャンはツンとしません.黒豆のノイキャンも,友人のSONYのヘッドホンのノイキャンも,耳がツンとするものでしたが,これに関しては全くそういう事がありません.なので僕は勝手にノイキャンの強さではなく質がいいと思っています.
気になるところ
・接続はそんなに速くない
多くの完全ワイヤレスイヤホンはケースを開けたらペアリングが開始され,耳に装着したらすぐにスマホに接続されている,というのが普通だと思うのですが,MTW2の場合,右イヤホンをケースから取り外すとペアリングが始まり,装着しても接続まで数秒待たされ,そこから音楽を再生できるまでなぜか5~10秒かかります.黒豆の接続は早かったので,結構気になるポイントです.
・左耳だけでは使えない
接続が左右分離型ではなく,右のイヤホンを介さないと左のイヤホンから音が出ません(というか右をケースにしまった瞬間接続が途切れます).もちろん,右を接続したまま耳から外して左だけで使う,ということはできるのでご安心を.
・つけ心地
カナル型ゆえ,つけ心地は良くないです.1時間ぐらいしてると耳が痛くなってきますし,イヤホン自体もけっこう大きいですから耳全体の負担もけっこう大きいです.
・ワイヤレス充電非対応
他の3つと比べると気になっている度合いは低いですが,ケースがワイヤレス充電に対応していればなお良かったかな,と思います.
「買い」?
総評です.僕はこれがベストな選択肢だとは思いません.なぜなら,同じ音がもっと安く手に入るからです.同じゼンハイザーのCX400BTという完全ワイヤレスイヤホンがあります.MTW2の廉価版,というと聞こえが悪いですが,何を隠そうCX400BTはMTW2と全く同じドライバーを搭載していて,音やつけ心地も全く同じなのです.MTW2から,ノイキャンや防水性能などの機能を省いて,イヤホンとして最低限の機能だけが備わっている状態にしたもの,それがCX400BTなのです.僕はこれを買えばよかったと思いました.
僕はAirPods ProやQuietConfort Earbudsや85tのようなノイキャンのいいものを一台買って,音楽に浸りたいとき用にサブ機としてCX400BTを買うのがベストだと思います(もちろん,無線にこだわる必要はないと思いますけどね).ただ,MTW2のデザインはCX400BTでは味わえませんので,僕は結果的に満足していますけどね.
しかし,今年はSONYの"あれ"が出てしまいましたので,完全ワイヤレスを探している人は"あれ"がどこまですごいものなのかレビューが出揃ってくるまで待つのが良いと思います.
追記:B&Wが完全ワイヤレスに手を出してきました.もっとお金が出せるなら,あちらを選ぶべきでしょう.